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世界最大級のメタルバンド8年ぶりに来日!

2016年4月、世界最大級の成功を収めたHeavy Metalバンドが実に8年ぶりにここ日本の地に降り立った。そう、IRON MAIDENである。
ヴォーカリストのブルース・ディケンソン自らが機長として自前のジェット旅客機”Ed Force One”を操り世界をツアーするという驚愕のオペレーションで展開される彼らのワールドツアーはまさにワールドクラスだ。
そんな偉大なバンドが来日するというのになんと日本はオリンピックに向けてあちこち改装中で確保出来た箱が両国国技館二日間のみという事態が発生したそうだ。

両国国技館のキャパは約1万人前後。スケール的にはちょっと小さい武道館という感じ。IRON MAIDENの観客動員力ならキャパ約5倍の東京ドームを満席にすることもおそらく余裕だった筈で必然的にチケットの抽選はかなりの高倍率となりました。しかしチケットを手にすることが出来たファンにとっては至近距離で彼らのパフォーマンスを堪能することが出来るまたとない好機でした。

さて両国国技館と言えば相撲の聖地でもあるわけですが、その土地柄に合わせて「アイアンメイデン」「ラウドパーク」等ののぼりが立っているのもまたいとおかし。相撲の聖地でヘビーメタルというだけでもギャップが面白いのだがその上今回は土足厳禁の枡席での鑑賞。裸足でメタルのコンサートは初体験だったが結果的には足が疲れなくて結構快適でした。音響も割と良くライブを鑑賞する空間としては東京ドームなんかより全然快適。これは嬉しい誤算でした。

メイデンのぼり

ほぼ定刻通りに場内が暗転しUFOの”DOCTOR DOCTOR”がかかると会場のヴォルテージは一気に上がる。
開演1曲目は新譜の曲順通りに”If Eternity Should Fail”から。今回一抹の不安を覚えていたのが直前まで咽喉のガンを患っていたというブルース・ディキンソンの歌唱だったのだが全く問題ない。凄い回復力だ。歌唱だけでなくステージを所狭しと駆け回るパフォーマンスも健在、普段からしっかりとフィジカルも管理しているであろうことが窺い知れる。まさにプロフェッショナル。

2曲目”Speed of Light”はブリッジのギターのハモりがどことなく祭囃子を想起させ国技館にピッタリ。そして新作から2曲やった後に披露された3曲”Children of the Damned”。これは個人的に今回の公演の序盤のクライマックスでこの曲でのブルースの壮絶な歌唱に圧倒される。声量や音程という次元を超越して人の魂に訴えかけてくる素晴らしい表現力。この一曲だけでも来た価値があった!と感じさせる圧巻のパフォーマンスだった。

その後”Tears of a Clown”を挟んで新譜で一番のキャッチーな”The Red and the Black”が演奏されると想定通り会場にはオーオーと合唱が巻き起こる。曲自体は大盛り上がりだったがイントロとアウトロはベースソロで若干スティーブ・ハリスの音が聴こえづらいな、と感じた。PAの問題なのかも知れないが今回はリズム隊の方がちょっと元気がないように感じた。
…などと考えていたらここで”The Trooper”が始まる。彼らの代表曲中の代表曲の一つでもあり当然ながら会場は興奮のピークに。やっぱりこの時期の楽曲は素晴らしい。エイドリアン、デイブ、ヤニックのトリプルギターも強力でこうした曲でもギターパートの音が薄くならない。ヤニック・ガーズの自由過ぎる動きからは弾いてない箇所があることも推察されるがそれでもやはり3人いることでアンサンブルに厚みが出ている。ただライブで見るとやっぱりメイデンの看板ギタリストはエイドリアン・スミスとデーブ・マーレーだなと感じる。ヤニック・ガーズも上手いんだけどこの二人のギターソロには素晴らしいメロディーがある。中でもエイドリアンスミスのギターワークは改めて素晴らしかった。いわゆる速弾きテクニックみたいなのが物凄いあるわけじゃないんだけどそんなものは要らないんだって感じさせる素晴らしい”音楽”。エイドリアン・スミスみたいなギタリストになりたい、と思った。

ブルースの超レアなマゲヅラ姿。
ブルースの超レアなマゲヅラ姿。

ドラえもんチックなイントロから始まる3連の”Death or Glory”では若干テンションが下がってブルースがやたら気に入っている風だった猿のポーズも「流行るのかなぁ?」と懐疑的な感想を持ってしまったのだがその後”Hallowed Be Thy Name”で再びブルースの歌唱にノックアウトされる。歌だけじゃなくここまでブルース・ディキンソンはステージ狭しと飛び回ったりチョンマゲのカツラをかぶってコミカルな一面を見せてみたりと全く年齢を感じさせてない素晴らしいパフォーマンスを見せてくれていたのだがこの曲で再び彼の素晴らしい歌に涙することになる。しかもこの後”Fear of the Dark””Iron Maiden”と書く時代の名曲のオンパレードで正に大熱狂の中本編が終了した。

程なくして会場の大声援に応え”Number of the Beast”が演奏される。ここでは巨大なエディーの頭部がステージ後方から迫り出して来た。このような舞台演出もあり視覚的にも飽きさせない。例えて言えばテーマパークのアトラクションのようなエンターテインメント性がある。

アンコール2曲目の”Blood Brothers”前にはブルースが「Iron Maidenのファン達はみんなBlood Brothersだ」みたいなことを言っていてこれまた感動。
そしてアンコール最後の”Wasted Year”。個人的に大好きな”Somewhere in Time”からの名曲でライブで聴く興奮にアドレナリン大放出。あまりに観客が盛り上がっていてひょっとしたらもう一回位アンコールでやってくれるんじゃないかって期待したが残念なことにその夢は叶わず伝説の来日公演は終了。

セットリストは以下の通り。()内の数字は個人的な盛り上がり度を5点満点で表現したもの。新作もだいぶ予習して行ったんのだがやはりこうやって振り返ってみると過去の名曲の方がテンション上がったんだなという感じ。生涯で聴き込んだ回数が違うのでこれは仕方がない。
総じて言えば演奏自体も素晴らしかったし会場の音響、規模も非常に良かった。ステージの演出も巨大エディーが登場したり細かい背景転換があったりで良くできたアトラクションを見ているからのような高いエンターテイメント性があるイベントだった。次はいつになるか分からないメイデン来日公演。今回この伝説を目撃できた事は実に幸せだった。

ちなみに物販コーナーでお洒落なメイデングッズを探したのだが公式ではそんなものがある筈もなく濃すぎるデザインのグッズばかりだったのでスルー。

If Eternity Should Fail(3)
Speed of Light(4)
Children of the Damned(5)
Tears of a Clown(3)
The Red and the Black(4)
The Trooper(5)
Powerslave(4)
Death or Glory(3)
The Book of Souls(4)
Hallowed Be Thy Name(5)
Fear of the Dark(4)
Iron Maiden(5)
アンコール:
The Number of the Beast(4)
Blood Brothers(5)
Wasted Years(5)

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