Tokyo Metal Club録音完了

ようやくTokyo Metal Clubのファーストアルバム、”Tokyo Metalize”のギタートラックの録音が全て終了した。あとはGoeffのギターパートを幾つか録音して外部のエンジニアに依頼したミックスが完了するのを待つのみだ。

外部のエンジニアに依頼する場合使用しているDAWが違うと結局DAWからSTEMと呼ばれる個別のWAVEファイルを書き出してミックスして貰うことになる。MIDIは先方の音源でミックスされるのでAddictive Drumsの音源を買ったのはあまり意味がなかった模様。

ともあれ3年近くGOEFFと一緒に書き溜めてきた楽曲がこうしてアルバムにまでまとまったのは感慨深く、せっかくなので一曲づつ振り返ってみよう。

1.Stand and Fight

確か二人で2番目くらいに書いた曲。最初はもう少しテンポが遅くてノーマルチューニングだったがジェフの声域に合わせて1音下げチューニングにしたのとテンポを少し上げたのが大きな変化点。アルバム1曲目なのでギターの見せ場を作ろうとリフの随所に低音弦での6連符マシンガンピッキングを入れたのだが完璧には弾ききれていない。イントロとアウトロはかなり良い感じだと思っている。

2.Prophecy

非常にコンパクトながらキャッチーなサビをもつ正統派ネオクラシカルナンバー。2019年の正月休みによくありそうなハーモニックマイナーのリフを何の気無しに録音したのだがジェフが非常にキャッチーなサビを考えてくれたので一気に名曲になった。ギターソロの前半があまりにもイングヴェイ過ぎるのでもう少し捻ろうと思ったのだが上手くいかず結局超古典的な3弦スウィープフレーズになった。ただ後半はハーモニックマイナーのコード進行に合わせたランフレーズがむしろカークハメットっぽくて気に入っている。

3.Could it be

この曲は二人で一番最初に書いた曲。Garagebandで適当に録音したコードストロークにジェフが歌を乗せて離れていても一緒に曲がかけるんだ、と気づかせてくれた記念碑的作品。コード進行や演奏はありきたりでジェフのメロディーが全てな曲だ。割と作り込んだギターソロが多い中、この曲だけは最後までちゃんとソロが構築できなくて時間切れの中適当にアドリブで弾いたテイクが使われている。それほど気に入ったテイクでもないのが悔やまれるところだが現時点でのスナップショットとしては良い記念かもしれない。

4.Devil in Detail

2020年に購入したSchecterの8弦ギターを使用。ただ結局8弦目は使い所が見出せず7弦のBを生かしたBmの楽曲でツインギターのハーモニーとLow Bのサウンドが他の曲と一線を画するモダンさを醸し出していると思う。

5.Will I Ever Get Home

これも比較的初期の曲。シンプルなコード進行だがコーラスのバックのツインリードとギターソロが非常に気に入っている。無駄なくコンパクトに纏っていてメロディーもキャッチーなので飽きずに何回も聴ける曲だ。本当は全曲この位シンプルにしたかった。

6.Betrayal

これもSchecterの7弦を活かしたBmのミドルテンポの楽曲。個人的にはOperation Mindcrimeの収録曲のような雰囲気と思っている。この曲のギターソロも割と作り込んだが後半のジェフの勢いに任せたアドリブのソロとの対比が面白いと思っている。この曲のアンニュイな雰囲気が非常に好きだ。

7.Sunny Day

こちらは比較的レイドバックしたブルーズロック。非常に良いのだが個人的には少し後半が長過ぎるのでは無いかと思っている。ただ歌詞を全部収めようとするとこの長さにならざるを得ないらしくキャッチーさを犠牲にしても作品性を重視した結果だ。

8.Tokyo Metalize

オレ達はメタルバンドだ、ということでAX7のようなバッドボーイ風な曲をと思い書いた曲。やはりローBがモダンな響きを演出するのに一役買っていると思う。非常に長いギターソロはアルバムの最後を惜しむという意味では悪く無いのだが、本来ここで被せようと思っていたアルペジオパターンが最後の最後にしか使われず弱冠残念。後半から一転してバラード調になる。聞き返してみるとこのアルバムにはロックバンドの定番であるバラードナンバーがないが強いていうならこの曲がその役割を担っているのかもしれない。ラストを飾るには相応しいソロとコーラスメロディだと思う。

以上8曲、ジェフがヴォーカルを録音したロンドンのスタジオで現在ミックスダウン中だ。並行してアルバムジャケットも製作を依頼中。全てが揃ったら近いうちにリリース出来る予定だ。自分がフルに作曲にコミットした作品としては1997年のPlasma以来。自分の好きなHR/HMを追求する、という意味で年齢相応にあの作品を超えるものを作ることが出来たと思う。

やはりこれをライブで演奏したい気持ちが大きくなってきた。

 

Prophecy/Tokyo Metallize

速弾きは時代を映す鏡だ。

ヘビーメタルの歴史を紐解き、その時代がどんな色合いのシーンだったのかをイメージする際、僕はギタリスト達の顔ぶれを思い浮かべる。インペリテリ、ポール・ギルバート、マイケル・アンジェロ、ジョン・ペトルーシなどなど、時代時代それぞれのニーズに答えるべく、本当に幅広いジャンルのギタリスト達が出現している。

今回紹介するトーキョー・メタライズの出発点は2005年、ギタリストのEJがオーストラリア留学中にジェフ・ヴェーダーと出会った事が発端である。彼らは同じ大学の学生寮で日がなギターをかき鳴らし曲を描いて過ごし、これが後にHARD WIRED CANDYとしてサーファーズパラダイス界隈をに賑わすムーブメントへと発展していく。

時は流れて2020年、EJとジェフは再びインターネットを通じて曲を共作し始める。途中COVID-19でジェフの住むロンドンはロックダウンされカオティックな狂気が街の日常を静かに侵食していく状況の中、彼らを支えたのは共に作り上げた様々な楽曲達だった。サイケデリックな日々の中でメタリックな鋼のシャワーの如く音を紡いでいく、そのサウンド作りの工程が当時のその東京やロンドンの熱気を連想させたため、バンドはTOKYO METALLIZEと名付けられている。

彼らのデビューシングルとして突如ベールを脱いだ楽曲「Prophecy」はロックダウンの実体験であり、その場その場の体験全てが時代を逆流してその時代の現場現場へと我々を運んで行ってくれる。

現代の作品づくりらしくフィジカルな盤の製作は伴わずSoundCloud上で静かに公開された同曲はネット空間内に湯気が立ち込めるかのような存在感に満ちている。2020年、ロックダウン下のロンドンで深い霧が立ち込め、そこからジェフが姿を現した幻想の追体験である。
これこそがTOKYO METALLIZEの切り拓く新世界だ!と声をあげたくなる瞬間である。

ギター演奏動画の撮り方

巣篭もりが続いた2020年。バンドやセッション活動はかなり制限されてしまった。しかしその反面、曲作りはかなり進んだ一年だった。アルバム一枚相当のマテリアルがアレンジも含めてほぼ完全に出来あがったのだ。結構難易度の高いギターフレーズが多く、すぐには完成度が高い演奏を録音できない楽曲も多いので2021年は練習の記録としての意味も込めて演奏動画を定期的にアップして行こうと思っている。

上記のような動画作成の目的からあまり手間をかけないということが重要だ。飽くまで自然体で日々楽器・音楽と向き合っている姿を記録するため作曲、録音をしている環境そのままで演奏動画を作成するフローを考えた。ここではその手法を紹介したいと思う。ロックを愛する全てのミュージシャンに取って何かの参考になればこれ以上嬉しいことはない。

録画に使用するのはMacOSに標準で付いているQuickTime Player。このソフトは映像、音声の入力ソースを比較的自由に選べる。ポイントはMac上で動かしているDAWの音声データを動画に使う設定。僕はDAWはLogic Pro Xを使っているのだが今から紹介する手順は他のDAWでも多分大丈夫だ。

Logicの音をQuickTime Playerに送るためにはBlackholeというフリーウェアを使う。以下のリンクからソフトをダウンロード。インストールするとLogic Pro Xからの出力音を遅延なしでQuickTime Playerに送ることが出来る。インストールしたらLogic Pro Xの環境設定>オーディオ>出力デバイスのところに「(BlackHole 16ch)」という選択肢が出てくるのでそれを選択する。そしてQuickTime Player側ではファイル>新規ムービー収録を選択したら録画画面が表示されるので赤い録画ボタンの右側にある小さな矢印を押す。するとカメラとマイクの入力ソースを選べるメニューが出てくるので先程Logic Pro X側で設定した(BlackHole 16ch)をマイクのソースとして選択する。するとLogic Pro X側の音声データがリアルタイムで録音出来るようになる。

http://existential.audio/blackhole/

この状態で普通に動画を撮ることも出来るのだが、Macbookのカメラは画質がイマイチなので、iPhoneのカメラをWebcamとして使うことにする。キャプチャーボードなどを作っているelgato社のwebsiteで iPhoneをMacやPCのWebcamとして使用出来るソフトが公開されているのでそれをダウンロードする。

https://www.elgato.com/ja/epoccam

ドライバをmacにインストールし、iPhone側でもアプリをインストールするとiPhoneをMacの外付けwebcamとして使用することが可能だ。MacとiPhoneが同じWifiネットワーク上にあれば無線でも使えるという点も超便利だ。ドライバをインストールしてiPhone側でアプリを立ち上げるとiPhoneがWebカメラとして認識される。この状態でQuickTime Playerの設定画面を開きEPOCをカメラの入力ソースとして選択する。

この状態にするとLogic Pro Xで録音をしている様子をそのまま動画にすることが出来る。ただ中々一発でOKテイクを出すのは難しいので当面はNG動画ばかりが連発されるかもしれないがそれもまた作品完成に至るまでのドラマだ。そう思って全てを楽しんでこそ音楽、ロックというものじゃないか。